うちの子供は3歳半でオーストラリアに渡ってきました.
もちろんそれまではオール日本語です.
日本の保育園で0歳児のときからのびのびと主のように楽しく暮らしてきた彼女は, ここに来て面食らったようです.
まず言葉が通じない, というだけでなく, 子供達の行動の仕方の違うこと, 何より, 保育園の先生の対応の違いに非常にショックを受けている様子で, 当初はいつも「保育園に行こう」というと, 顔がこわばり, 泣いて嫌がっていました. 日本の保育園で安実ちゃんは, 愛情と配慮をいっぱい降り注いで下さるすばらしい先生達に幸運にも出会うことができ, 生後5ヶ月で入園したにもかかわらず, 何の問題も起こさずに溶け込み, たくさんの工夫されて飽きさせない行事の中で安定してすごしていました.
オーストラリアに来て気付いたことは, 日本の保育園のすばらしさです. 朝7時から夜7時まで預かってもらえ, 温かいお給食をほおばり, 次々に編み出される保母さんのアイデアのいっぱい詰まった遊びの中で当然のように毎日を過ごしていた彼女は, それまで「保育園に行きたくない」なんていったことは一度もありませんでした.
オーストラリア型の保育は, 自己独立型です. 日本のように保母さんが音頭を取ってひとつの遊び, 例えば歌だとか工作だとか本読みだとかをみんな一緒に行う, ということはまずしません. 自分の好きな遊びをそれぞれ自分のペースでやり, 本を読んでもらっているグループがあれば, 工作しているグループもあり, 果てまた砂場遊びをしているグループもあります. 先生は適当に子供達の相手をしますが, 日本ほど子供に注意を払っているようには到底思えません. 先生同士おしゃべりに夢中!というのも何度も目にしました.
日本で先生達の注目をいっぱい浴びてきた安実ちゃんは, 言葉が通じないこともあり, 一気に自信を失ったようでした. 先生の後を着いて歩くのに, 先生は他の子や他の先生達のほうを向いている...どうして?という, 何か寂しげな安実ちゃんの姿も度重なって目にしました.
彼女は小さい部品の作品, 例えばパズルやブロックが得意です. 一人で静かに大きな作品を作り上げ, にっこりしているのもつかの間, ちびっこギャングにひっつかまれて壊される, というのをやられてはめそめそしているので, 「安実ちゃん, ビービー泣いたら面白がってまたやられるだけだよ. ぎっとにらみつけてNOといいな!」とかあちゃんに叱咤激励され, また保育園に送り出されます. けなげにうちで NO の練習をしている姿は少しかわいそうでしたが, タフにならねばやっていけませんもの, そのまま観察していました.
2ヶ月目くらいからだんだん英語の指示が分かり始め, 5ヶ月経った今は, かなり自分に言われていることは分かるようです. おうちでもごもご何か訳のわからないことを言っているときは決まって, 英語風の発声で練習をしているときです. 今では日本語も時々, 子音の強い英語風発音が混じることもあり, かあちゃんに注意されています. 字を書くことに興味を示し始めているので, ひらがなとアルファベットを教えようかなあ, と思ってる矢先に, 本人は自力で絵本などから練習をはじめています. 日本みたいに早期教育をがんばる人は少ないお国柄なので, 《3歳半を過ぎてもオムツの取れない子もいます!》のんびりいこうかなあ, と思っていますが, 果てさて...
子供の英語のことは心配してません. まだ小さいですし, 周りが英語環境ですからあせらなくったって自然に覚えます. 問題は日本語なんです. おしゃべりはできても, 読み書きが難題ですねえ... 漢字の書きや, 何種類もある漢字の使い分けなんかどうなるんだろう? 絶対無理だよなあ... 日本にいても難しいのに... 小学校の国語と算数の本は1年から6年生まで6年分手元にあるのですが, 身につかせることができるのかなあ? かなーリ絶望的な気がします. 本当のバイリンガルはやっぱり難しいです.
28 August 2000