キャンベラの人々の足は, なんと言っても車です. 大抵の家には2台以上在って, 皆さんビュンビュンと元気良く飛ばしています. 住宅地の中は時速60キロ制限ですが, それ以外は80キロ, 幹線道路になると100キロのところもあるので(私の通勤道路のタガロングウェイは制限速度時速100キロです. それなのに「カンガルーに注意!」とかの看板が在って, 車にはねられたカンガルーとか狐とかを道路わきによく目にします. びっくりするでしょうね, 時速100キロで走行中に, 急に目の前に飛び出してこられたら.)日本の運転の感覚とはおのずと違ってきます. キャンベラ人は, 空いている道を飛ばすことに慣れているので, シドニーなどに遠出した際, 事故に逢う確率が他の州の人より高いそうです. 車が必需品のオーストラリア人達にとって, ガソリン価格の上昇は充分政治の駆け引き材料になるくらい敏感な問題ですが, 現在のインフレ+ GST 導入+豪ドルの弱体化+原油の高騰により, 石油を輸入に頼るオーストラリアとしては価格の上昇を抑える手立てがないので, 政府は突き上げを食らって困っているようです.
新車を購入するのは大変です. 一番安い車(例えば小型車でフォードのフェスティバ, ホールデンのバリーナとか, トヨタのエコーとかの5スピードハッチバック目玉限定商品)でさえも1万5千ドルとかなので, 色やグレードをちょっと選んだり, 付属品をつけて税金や登録料や保険を払うと, すぐ1万ドル代の後半にいってしまいます. この額は, 中間所得者層以下の人々にすると, 年収の半分行ってしまいます. 例えば年収4万ドルだったとしても(これって悪くないほうです!), 所得税分引かれたら3万ドル位でしょ, 残りは. この中から家のローン(or 家賃), 各種保険や子供の学費なんか出してるわけで, 新車購入は苦しいですよね. 日本の所得水準からすれば, 「どうやってこの収入で家を買って暮らしていけるわけ ?」と疑問に思うくらいの低収入でオーストラリアの平均的家族はやりくりしています.
それで皆さん, 良い中古車を探し回ります. 10万キロ走ってない車なんて, とってもラッキーな買い物の類に入ります. 友人の皆さんも, メカに詳しい知り合いを呼んできて, 新聞のオートガイドでめぼしい物件を選び出し, 相手に連絡してこまめに車を見て回っています. ディーラーとかだと価格が高くなってしまうので(それに, 中古車セールスマンって, なんか信用できないですよね)個人売買が盛んです. 当たり外れはありますが... 23万キロ走った車を1500ドルで購入したとか, 87年型のトヨタ車を4000ドルで買ったとかの話をききます. 自分が納得した買い物で, 適当にメンテができれば, 別にどんなんでもいいようです. ボディ外側が錆びてそこだけ全く違う色でペイント補修した車とか, ぶつけたままでへこんでいても気にせずにそのまま走っていたり, ランプがひとつ切れたまま走っていたり... うちの右隣の隣人の車もすごくて, うちの親が遊びに来たとき「これ, 本当に乗ってるのか...」と, 絶句してましたもん. 何年型なのかな, もう20年は経ってると思います. 冬の朝は, 「今日もエンジンがかかるかなあー」と人ごとながら心配していたものです. Do It Yourself のお国柄なので, パーツも手に入るし, 楽しみながら, 休みの日に手入れをする姿も目にします. 何しろ走行距離が半端じゃないので, それだけ故障も多く, 道路わきによく故障車が止まっています. 警察が時々「飲酒運転スピード違反撲滅!」の一斉検挙をするのですが, その際一緒に「状態不良車」も摘発され, 運転手はその場に車を置いて帰らされます. けっこうの数あるそうですよ, この手の不良メンテナンス車が.
バス網も良く発達しています. 特にシティに通う人たちは, 駐車スペースがないので皆さんバスで通っています.
どのサバーブにも必ず1−2本はバス路線が走っているので, 中心部に向かうなら,
1本で目的地にいけることも多いです. バスの運ちゃんたちはリラックスしていて, 地元ローカルラジオの MIX を流しながら,
予定時刻より早かろうと遅かろうと気にせずに運行しています. 普通日本的感覚で言うと,
予定時刻より10分も前に通り過ぎるバスなんて考えられませんが, キャンベラではよくあることです.
うちの旦那はこれで何度か置いてきぼりを食らいました. バスゾーンは3つに分かれていて, ウォーデン以南がサウスゾーン, 中心がセントラルゾーン, ベルコーネン以北がノースゾーンです. そのゾーン内だけを旅するなら単独ゾーンチケットを購入します.
(サウスゾーン, セントラルゾーン, ノースゾーンチケット各大人2.3ドル)複数のゾーンをまたがって旅する場合は
オールゾーンチケット(4.4ドル)を使います. Faresaverと呼ばれる, 10 回使えるバスチケット(1ゾーン 18.4 ドル/オールゾーン36.8ドル)や,
1週間のウィークリーチケット(1ゾーン19.8ドル/オールゾーン38ドル)や1ヶ月定期のマンスリーチケット(1ゾーン 65
ドル/オールゾーン 120 ドル)も在ります.
自転車は, けっこう皆さん乗っています. ヘルメットをかぶり, バイク道を颯爽と進んでいます. 自転車は車道も走れるのですが(先の100キロ制限のタガロングウェイでも 車と並んで自転車の人がいます!)多くの人は自転車専用道路のバイク道をとおります. バイク道は良く発達していて, 景観の良い公園横とか湖沿いとかにもあるので, バイク野郎の完全装備をして(派手なぴちぴちパンツとか...あれです)サイクリングを楽しみ, また体も鍛えながら通勤している人の姿を目にします. 休みの日には, 公園周辺のバイク道にファミリーバイク隊が現れ, 一番のおチビさんはかあちゃんかとうちゃんの自転車に牽引された幼児車に乗り(ミニテントに車がついているようなもの. そのビニール窓から子供が外を眺めています. 頭上には旗が立っているのだ! かっわいいぞお)ゆっくりと目の前を通り過ぎていきます. 多分, 3歳を過ぎるともう乗れないんでしょうが, うらやましかったですねえ, すごく欲しかったですもん, あの手の自転車! 日本風ママチャリは存在しないので, うちの娘と二人乗りができないのが残念です.
December 19, 2000