うちには3軒のお隣さんがいます. 右に1軒左に 1 軒, そして(今回話題にさせてもらう)裏手のジェニーとニック宅です. 庭と庭の間は, 板の垣根で仕切られていますが, 裏手のジェニー宅とだけは木のドアで相互に出入りができます. 最初のうちはこのドアに鍵がかけてあったのですが, そのうち仲良くなるに連れ鍵は取り払われ, お互いに勝手に出入りをしています. (注;法律上は, 大家は貸家に賃貸期間中許可なく出入りしてはいけないことになっている.)庭いじり最盛期にはいった春頃から, なにやらお隣で庭の改良を着々と行う音が聞こえていましたが, そのうち自分の庭だけでは飽き足らなくなり, うちの庭に日々出没しては, あれを植えたりこれを植えたり...芝刈りや水やりなどの維持作業以外にもどんどんやってくるようになりました. 花は30箇所くらい, 木だけでも15本くらいは植えていってます. 実のなるものが大好きで, 植える木といったら, プラムにアプリコット, 林檎に葡萄, レモンにライムにグレープフルーツ...と, 徹底しています. 裏庭に面した書斎でこの文章を書いている今も, 本当はジェニー宅が見えるはずなのですが, 何せ彼女達はガーデニングにかける庭いじり必殺仕事人なので, 垣根沿いに木々が隙間なく植わっていて, 全く向こうは見えません.
彼らはすっかりオージーの王道を行っているので, 年金生活者として悠悠自適の生活をする今は, 年に何度もキャンピングカーでキャンプの旅に出かけます. いったん出かけると2週間は帰ってこないので, その間我々は, 彼らの家に12羽いる鶏係の担当です. 卵や, 庭になるレモンの恩恵にもあずかれます. このガーデニング病が伝染してしまい, うちも庭でハーブを育て, ジャガイモやかぼちゃやねぎを育てています. 庭の隅に野菜畑があるのです. うちの敷地は, ジェニー宅の半分ほどだとは言え, 200坪はあるので, 草木の伸びる春夏はジェニーでさえてんてこ舞いになります. でも, 忙しそうだけど, 楽しそうですよ. 「ああ, あれをやらなきゃ」とかなんとかいって動き回っていますが, 人間, 好きなことは良くやるもんです. せっせと庭の手入れはしていますが, 彼女は一般的な家事は苦手のようで, 家の中はぐちゃぐちゃです.
伴侶のニックは, ジェニーより 20 歳以上年上のイギリス人. 昔はインドで大陸横断バスのドライバーをしていたそうです. 彼はマイペースの人で, 細かいことは気にしません. ジェニーは, 「彼はホント頑固. それにとっても保守的だし. いやになっちゃう...」とよくこぼしていますが, いやいや, 強みの違うところをそれぞれ補強しあって, いい味だしてる夫婦です. オーストラリア人ははっきりしているので, いやだとなったらさっさと離婚しますから. 私の勤めるカトリック校の生徒の家庭も, 3 分の 1 は片親家庭で, 再婚した家も多いです. オーストラリア人のさばさばしているところは, 別れた後にもお互いの新しい伴侶を連れて一緒に遊びに行ったりするんです. お互い前向きに離婚するのかなあ. 20 年以上, けんかしながらも一緒に暮らしているのは, いいパートナーの証拠じゃないですか, ねえ, ジェニー!!
ニックの担当は, 修理改善係. うちの水道が漏ったり, レンジが壊れると, ニックが登場します. 芝刈りも, ジェニーよりは数段お上手です. 風呂場のタイルを張ったり, 皿洗い機を一日かけて直したり, ジェニーの言いつけで庭に穴を掘ったり... 立派なオーストラリアンハズバンドです. 「保守的」と言われながら料理もジェニーより上手で, クッキーやらソースやらスープやら, 良くいろいろ作っています. ビールも自家醸造しているそうです.
December 20, 2000