キャンベラには主な公立病院が二つあります. 南のキャンベラホスピタルと北のカルバリーホスピタルです. これらの病院にお世話になるのは, 時間外の救急医療と, 入院・手術でしょう. 我々も今までに 2 回ほど近くのカルバリーの時間外救急に行きました.
メディケアカード(国民健康保険みたいなもの. 収入の一定額をしはらう. 短期滞在者は加入できない)を見せて病状を説明し, 2 - 4 時間待つと見てもらえます. 混みあっていることがおおい(特に週末)ので, 2 時間以内に見てもらえるのはよほどの救急の時だけです. 24 時間の救急病院は仕事がシフトで厳しいので, 出会ったお医者さんは全てアラブ. インド系の移民の顔をしていました. 開業医は白人が大半ですが, アジア系も見かけます.
急を要しない病状の時は, イエローページや人づてで開業医(General Practitioner)に予約を取ります. 大抵は平日 9 時から 5 時くらいまでで, ここでもメディケアカードを見せて診てもらいます. 病状を説明して診察が済み, 薬を出してもらえる場合は, 書類 prescription をもって最寄の薬局に行きます.
風邪などの軽い病状ならコレで終わりですが, 慢性の病気や, 検査が必要な場合は開業医に紹介状を書いてもらって専門医または公立病院に出かけます, GP の紹介状なしでは予約を取れません.
開業医 GP の費用はシステムによってまちまちです. 「メディケアカードがあれば診察無料」のバルクビル方式が以前は主流だったのですが, 政府の設定額(診察一回 26 ドル)が低くて経営が厳しくなるので, 見かけることは稀になってきました. 多くの開業医が取っているのが「その場で全額 GP の定める料金を支払ってその後役所(メディケアオフィス)で規定額を払い戻してもらう」というやり方です. 診察料は現在, 45 ドルほどが一般的で, そのうち 26 ドルほどが後で払い戻しされます. 永住権・市民権がなければメディケアには加入できませんので, 短期滞在者は医者に全額を支払って, その後自分の加入している保険会社に請求することになります.
現地のオージーでも, メディケア以外にプライベート保険に入っている人も多いです. 現ハワード政権が, 国のメディケア負担を減らし, プライベート医療を推進しようという意図で「プライベート保険加入者の費用の三分の一を国が負担する!」という制度を数年前に打ち出したので, 一気に加入者が増えました. 今は全体の 7 割近くがプライベート保険に加入しているそうです. これ, とってもばかみたいだとおもうんです. そんな, 三割もプライベート保険に補助を出すお金があったら, メディケア自体をもっと充実させな! と. プライベート保険に入れるような余裕のある人は, いくらでも自前で保険料を支払ってお好みの治療をしてもらえばよろしい. しかし一般人はメディケアで面倒を見る, という当たり前の基本に戻れ, バカたれ. ハワードの政策は巧妙で, 「小金もち」になったオーストラリア人の心を上手に操って, 意外と支持を集めています.
うちはいまのところメディケア以外は何も加入していません. 「元気で若くて持病がないならプライベート保険はメリットがない」と知人が言ったのに納得したのです. プライベート保険でも, 色々と制限があって, 割と戻ってくる額が少ないそうです. 安いファミリーパックに入っても一年で千ドル以上はかかるので, そのお金をプールしといて数年毎に歯とかまともに直そう! なんて思っています. 歯の治療は高いみたいですから.
年取ったら, 最高のプライベート保険に入って, 持病を見てもらいに定期的にお医者に通おう. 年金生活者(pentioner)はとっても地味で, メディケアしか入ってなかったら, ちょっとした手術とかすごいウェイテリングリストが長いって言うもんね. 悠悠自適な老後っていいなあ. でもそんなにうまくいくんか!?
July 9,2002