[お仕事雑感]

[メインに戻る]

[その1]

家族第一主義の人の多いオーストラリアでは,仕事が終わるとさっさと帰る人が多いです. 私の職場は中学校ですが, 6限が終わると, "See you tomorrow!" と明るく言い放って5分後にはいなくなる教員もいますし, 毎日業後には自分の子供たちに囲まれて職員室で残務整理をするお父さん先生もいます. この情景は大変新鮮でした. 日本の職場では, 子供をあたりまえみたいに職場に連れて行くのは勇気のいることでしたから. 早く帰宅するのに「もう帰るの?」とでもいいたげな咎めるような視線はまったくありません. 逆にちょっとでも遅く残っていると, "Are you still at school? Go home!" と冗談っぽく言われます. "Don't work too hard!" といわれることもあります. 肩身の狭い思いで「子供が病気ですから. . . 」と言い訳がましくいって休みを取らなくてもいいんです. 朝7時までに担当者に電話を入れればその日の「代替教員 Relief Teacher」が来てくれます. (注;日本では, 長期の休み以外は常勤の教員がすべて授業 etc. をカバーする. それゆえ「みんなに迷惑がかかるから」との思いで休みを取るのに二の足を踏んだりする) 生徒の授業態度は, 日本と比べようが無いほど格段に悪いオーストラリアですが, 「働きやすい」職場環境は大変助かります. 金曜日に朝の打ち合わせに出勤すると, 副校長のアンガスが "Thanks for coming today!" というのに笑っちゃいました. 金曜日は週末前だからか, 休む人が多いのです.

日本の職場では「給料が安い(つまり若い)人ほど良く働く」と, 時に皮肉って言っていました. 若い新任の子は, 家庭的責任がないのもありますが, 夜 7 時 8 時まで当たり前のように学校に残っていたものです. 「若造が, 早く帰るなんてもってのほか!」という感じでしたが, こちらは逆の感があります. つまり, 給料の多い・役職のついた人が, 「責任を背負ってがんばって働く」ということです. ヒラの職員が 4 時過ぎにはほとんどいなくなる中, 主任(コーディネーターと呼ばれる)級以上の人は週に 2 回以上業後に会議があります. 「いやあ, 大変ですねえ」といいつつ我々は帰宅するわけですが, 言下には「責任者だもんね, しょうがないよ」との思いがあるわけです. 各種行事や集会の準備・進行も全部コーディネーター級以上がやります. 学校というところは結構行事が多いので, その準備にはかなり時間が取られるのです. 授業中の教室は戦場なので, 扱いきれない子がいると, すぐに学年コーディネーターのところに連れて行き, その後の処理を委託します. あまりにも素行が悪い子が多いので, 副校長は毎日てんてこ舞いです. 日本でいうところの「生徒指導部」の役目の多くを副校長級が担っているのです.

じゃあ, ヒラの仕事自体がラクかというと, そうは思えないんです. 6 時間の授業時間中, 皆さん平均 4−5 時間は教えています. 私も週に一度は 6 時間ぶっ続けの日があります. こういう日は腹をくくって登校するのですが, それでもフラフラになって頭痛薬のお世話になることも何度かありました. それプラス朝の 30 分のホームルーム(Pastoral Care)の時間, 休み時間の構内立ち番(duties), そしてもちろん悪がきを昼休みや業後にバツとして呼びつけてしかる(Detention)こともほぼ日常的なので, 「いつ授業の準備をしているんだろう?」と不思議に思うほど時間がありません. プリントのマーキング, 学期末の成績つけなどは持ち帰ってやる人も多いようです. まあ, でも, それぞれ程度の差はあれ日本でもそう変わらないか... 日本では組織から来る精神的圧迫感と閉塞感が強かったですが, こちらは身体的疲労が主ですか. なんてったって「猛獣使い」みたいなんだもん. 給料減らしてもいいから, クラスの人数を減らしておくれ!!

January 15, 2001


[TOPに戻る]

[その2]

今年度は, 職場の顔ぶれがかなり一新しました. 教員はうちのキャンパスは 70 名ほどなのですが, うち 15 名ほどが変わりました. 今まではその 70 人中, 有色人種は私ただ一人で, なんだか座りが悪かったのですが(生徒はクラス 28 人中必ず 1−2 人はアジア系)今年はインド人のミリアムと北アフリカ系フランス人のパトリックが加わり, 喜んでいます. 特にミリアムとは仲がよく, 席が近いせいも合って何かにつけて話をしています. しぐさとか感覚とか相通じるところがあるのか, 初日から自然とお近づきになり, 「ほんとにオーストラリアの子は手におえないねー. 口ばっかり達者で言うこと聞かないし...」とか言いあってます. 公立学校の教員はもっと多様な顔ぶれだそうですが, 私立のカトリック校はまだまだですね. まあ, 宗教的にカトリックの人を優先して職員として取っているようだから, 白人が多くなるのか... 一応私は「信仰」の欄に「仏教徒」と書いたのですが, 内容を突っ込まれたら困るなあ... 答えられないもん.

February 17, 2001


[TOPに戻る]
[メインに戻る]