
苦労して見つけた家ですが, この家はとても特徴があるようです. 大家さんのジェニーがあるとき話のついでに教えてくれたのですが, ここは Ex-Govie と呼ばれる物件だそうです. Exとは, Ex-husband などでもお馴染みの「以前は, 前の」という意味で, Govie = Government House 「公営住宅」の愛称?です. つまり, 政府が低所得者層のために建てた, 日本で言うところの公団か県営住宅のようなものです. 一戸建てとしては小さめで, 地元の人はレンガの色を見ただけでわかるそうです.
1960−70年代に, キャンベラの郊外が第2段階の大規模開発されていたとき, この Scullin 地区にも Govies が多数建設されました. 政府は, 低所得者層だけを住まわせると地区が荒むと考え, 数戸ごとに〔大体が角地を選んで〕個人所有の家を建設させました. 面白いですよお, 5・6戸似たような家の続いた後に必ず, ずっと洒落た家がポコンとあるのですから. 20年以上経った今では, ほとんどの Govie 達は市場に売りに出されて個人所有に変わっていますが...でも, 一見すれば元 Govie だってすぐわかってしまいますから, それがいやでレンガをすべて白く塗りなおしたり, ちょびっと増築してそこを違う色に変えたりしたりしています. とにかく元の〔誰にもモロバレの〕色を隠したい, というわけです. キャンベラは全くの計画都市ですから, 元は何にもない原野なので, 政府が大地主だったみたいです. 今はどんどん郊外が伸びていて, 端っこは NSW に届きそうな勢いです.
この我々の Ex-Govie 君は, 小さいながらなかなか良くできています. ダイニングキッチンは9畳, リビングは北向きで12畳, ベッドルームはそれぞれ9・7・6畳くらいです. 全ての部屋に窓がありますし, 窓をふさぐ木や建物もないので, 明るいですよお. 使っている建材の質や, 絨毯や床の古さは最初は気になりましたが, 慣れれば何ともないです. 風呂に毎日入ろうと画策していたので, 「バスタブがあって, お湯のタンクの大きい物件」にこだわりましたが, どちらも OK です. タンクは, なんと(こちらとしては大きいのです, これでも) 250 L の容量があります. 電気で沸かして溜めておくタイプなので, とっても寒いキャンベラの冬には, 家族3人が連続で風呂に入るとお湯がなくなるので工夫が必要です. その工夫とは?ほっほっほ...秘密です.
洗濯は, 裏庭の洗濯竿に干します. 黄色いビニール糸を真横に何本か張ったタイプの物干しもありますが, わが家のはくるくる回ります. でっかい傘の骨のような姿で, 何重かに張られた針金に洗濯物を干していきます. 青空の下, 少し風がある日は, 幸せそうにくるくるとよく回っています. 真冬でも, 暖かいお昼間には, タンポポがちらほらと咲いています.
July 2, 2000